矢状面において
【耳たぶ・肩峰・大転子・膝の中心・足首(外くるぶしの少し前側)】
上記のランドマークが一直線上にあるのが正しい重心位置です。。
頭が前に出すぎていないか、巻肩になっていないか、股関節が内旋して大転子が前に出すぎていないか、膝が過伸展ではないか、内反膝・外反膝になっていないか、足の重心が前すぎないか後ろすぎないかなどを見ます。
もしアライメント異常があれば、ASISと恥骨に手を添えて垂直になるようにニュートラルに修正します。この時、上半身が前に倒れたりしないか、代償動作があるかも確認します。
ここで、アライメントが一番崩れる要因は、後ほど登場する姿勢分類の中の、骨盤が前にスライドするスウェイバックが最も大く見られます。
【肘】
肘が屈曲しすぎていないか。回内しすぎていないかを見ます。
親指側に肘がいっている外反肘になっていないか。
外反肘の場合、もともとの骨の配列でそうなっているのか、ケガや骨折の影響でなっているのか確認する必要があります。骨性由来のアライメントの場合は無理な修正はしない方がいいです。
【ASISとPSIS】
ASISとPSISの高さの角度が適切かどうか。
骨盤が前傾しすぎてないか。後傾しすぎていないか。
矢状面での姿勢の分類
⑴.スウェイバック(猫背・骨盤後傾前方型・膝過伸展)
デスクワークをする人に多い姿勢で、現代人のおよそ8割がこの姿勢になっていると言われています。実際、わたしも町ゆく人を見る限り、ほとんどの人がスウェイバックに該当すると思っています。
わたし自身も少し前まで重度のスウェイバック姿勢でした。
筋肉を使わないで立つ事ができるので、立っている本人としては楽な姿勢ですが、ギリギリ姿勢を保っているようなものなので、ちょっとした外力で転倒しやすくなったります。
また、この姿勢は骨格筋ではなく、靭帯や関節などで姿勢をささえているので障害が起こりやすくなります。
<短縮(優勢)筋>
・大腿筋膜張筋・腸脛靭帯・ハムストリングス・内腹斜筋
<延長(弱化)筋>
・頸部深部屈筋群・外腹斜筋・脊柱起立筋・臀筋群、大腿四頭筋の広筋群
⑵.フラットバック(猫背・骨盤後傾後方型)
骨盤が後傾位になっている場合、上半身は上部胸椎を屈曲するか、骨盤自体を前方にスライドしてバランスを取ろうとします。
上部胸椎を屈曲してバランスを保っているのがフラットバック姿勢で、骨盤自体を前方にスライドさせてバランスを保っているのがスウェイバック姿勢になります。
フラットバック姿勢は、背骨のS字カーブが殆ど消失してしまっているので、重力と床反力の衝撃を受けやすく、椎間関節の障害を起こしやすくなります。
上からの荷重と下からの突き上げで、特に腰椎への負荷がかかりやすくなります。
脊柱のS字カーブは、垂直な脊柱に対して、10倍の軸圧に抵抗できる構造になっているので、円背やフラットバックなどでS字カーブがなくなると10倍の圧力がかかってしまうと想像できます。
<短縮(優勢)筋>
腹筋群、ハムストリングス
<延長(弱化)筋>
脊柱起立筋群、腸骨筋
⑶.ロードシス(反り腰)・カイホロードシス(猫背反り腰・骨盤前傾型)
骨盤が前傾位になると、上半身のバランスを取る為に骨盤を前方にスライドさせると猫背反り腰になります。逆に後方にスライドさせると反り腰(ミリタリーバック)になります。
反り腰、猫背反り腰の姿勢はともに腰椎前弯が増強(腰椎伸展)されているので、腰椎の椎間関節障害を発症しやすくなります。
※カイホロードシスは見た目上、スウェイバックと似ていますが、使っている筋肉の緊張が異なるので、弱化筋へのアプローチが異なります。
反り腰の人は、肋骨をしめる筋肉(腹筋群)が弱くて肋骨が開きやすくなります(リブフレア)。
バランスを取るために腰が反ってしまうので、腰痛の原因やぽっこりお腹の原因になります。さらには、膝もロックしてしまうので、膝の過伸展に繋がり膝を痛めやすくなったりもします。
upperr cross syndrome(上位交差症候群)
頭部前方位、胸椎後弯の増強、頸椎過伸展
lower cross syndrome(下位交差症候群)
胸椎前弯の増強、骨盤の前傾
<短縮(優勢)筋>
・頸部伸筋群
・腰部脊柱起立筋群・僧帽筋上部繊維・肩甲挙筋
・前鋸筋・大胸筋・小胸筋
・腸腰筋・大腿筋膜張筋・大腿直筋
・下腿三頭筋
<延長(弱化)筋>
・頸部屈筋群
・上部脊柱起立筋群
・僧帽筋中部・下部繊維・菱形筋
・腹筋群
・臀筋群、ハムストリングス
・前脛骨筋
<アライメント修正方法>